会長挨拶

『第90回 日本皮膚科学会東京支部学術大会の開催にあたって』
研鑽!皮膚科プロフェッショナリズム

第90回日本皮膚科学会東京支部学術大会
会長 朝比奈 昭彦(東京慈恵会医科大学 皮膚科学講座 主任教授)

この度、2026年11月14日(土)・15日(日)の2日間にわたり、第90回日本皮膚科学会東京支部学術大会を新宿・京王プラザホテルにて開催させていただくこととなりました。開催の機会を賜りましたことに対し、関係者の皆様に心より御礼申し上げます。東京慈恵会医科大学皮膚科学講座が学会開催を担当するのは10年ぶりとなり、教室員一同、皆様をお迎えできますことは大きな喜びです。

本学会のテーマは「皮膚科プロフェッショナリズム」です。私自身も長く皮膚科に携わる中で、その面白さと奥深さを実感してまいりました。一方で近年は、日常の忙しさの中で皮膚科学の本質を見つめ直す機会が限られていることや、専門医試験を到達点と捉える風潮にも懸念を抱いております。皮膚科は容易に見られがちな領域ですが、知識と経験を積み重ねることで、その真価が見えてまいります。高度な専門性に加え、多様な分野と基礎医学との接点を有する学問であり、それぞれの領域で国際的に活躍されている先生方も数多くおられます。

本学会では、皮膚科医こそが「皮膚」という、内臓の状態を映す鏡であり、かつ患者のQOLに直結する人体最大の臓器を扱うプロフェッショナルであるという原点に立ち返り、皮膚科学の広がりを俯瞰することを目指しました。プログラムは皮膚科の各分野を縦断的・横断的に構成し、基礎的概念や研究手法、診断・治療の最新の話題、日常診療に役立つ知識や技術とその実践について、複数の視点を交えながら第一線の先生方にご講演いただく予定です。参加者の皆様にとりまして、関心を引く教育講演やシンポジウム、ハンズオン等の各種セミナーを見出していただけるものと期待しております。

さらに招待講演では、神経線維腫症1型(NF1)研究・診療のレジェンドでNF1遺伝子同定に主導的役割を果たされたユタ大学のViskochil先生をお招きし、NF1の最新知見をご紹介いただきます。また特別講演では、私が皮膚科研修を開始した1990年前後に乾癬のHLA解析の基礎研究をご指導いただいた、現在は国立国際医療研究センタープロジェクト長の徳永勝士先生に、ゲノム医療の現状と展望についてお話を賜ります。さらに、皮膚科学会理事長と山梨大学学長を歴任された島田眞路先生には、日本の医療の将来像についてご講演いただく予定です。

本学会が皮膚科学の魅力を改めて認識する機会となり、特に若い先生方にとりましては、皮膚のプロフェッショナルとしてさらなる研鑽を積む契機となれば幸いに存じます。教室員および学会事務局一同、誠心誠意準備を進め、東京支部のみならず全国の皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。本学会が実り多く、出会いに満ちたものとなりますことを祈念いたします。